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◯◯を提案する不動産会社とは付き合うな

更新日:2月3日

不動産賃貸経営にとって、空室問題は避けて通れない課題の一つです。しかし、その解決策として安易に“家賃を下げる”提案をする不動産会社には注意が必要です。特に、時代の変化やターゲット層のニーズを無視して家賃を引き下げるのは、物件価値の低下につながる恐れがあります。以下では、その理由と適切な対応方法について、具体的なやり取りや事例も交えて詳しく説明します。


築古物件の空室は悩みの種
築古物件の空室は悩みの種

● 家賃を下げることのデメリット

  1. 資産価値の低下 家賃を下げると、物件の収益性が低下し、結果として物件の評価額にも影響を与える可能性があります。不動産投資では、収益性の高さが資産価値を維持する重要な要素です。

  2. 入居者の質の低下 家賃を下げることでターゲット層が変わり、物件の維持や管理に影響を及ぼす可能性のある入居者が増えるリスクがあります。これがトラブルや追加コストを生む要因になることもあります。

  3. 長期的な損失 一度下げた家賃を再び引き上げるのは難しくなります。市場が回復しても、物件の“安い”イメージが定着してしまい、適正価格での募集が困難になるケースがあります。

  4. インフレと管理コストの増加 現在のインフレ傾向では、管理費用や修繕コストが増加していく可能性が高いです。このような状況で家賃を下げると、収益が圧迫され、最終的には運用そのものが破綻するリスクがあります。収入がコストを上回る状態を維持することが、安定した運用のために不可欠です。


 


● 不動産会社の提案を鵜呑みにしない

不動産会社の中には、短期的な空室解消を目的として家賃を下げるよう助言するケースが多く見られます。しかし、このような提案は必ずしもオーナーの利益を考えたものではありません。

まず、不動産会社と大家さんの間には利益相反の関係があることを理解する必要があります。不動産会社は空室を埋めることで仲介手数料を早期に得られる一方、大家さんにとっては家賃収益が低下し、長期的な経営リスクを伴う可能性があります。

例えば、ある大家さんとのやり取りでは、「1平方メートルあたり月額約3,300円が妥当」と助言されました。しかし、これをそのまま受け入れる前に、物件の需要やターゲット層をしっかり調査することが重要です。

また、不動産会社の営業マンの中には、不動産経営について深く理解していない人も多く、空室が埋まることが大家さんの利益につながると純粋に勘違いしている場合があります。このため、提案を受けた際は、その根拠や背景を確認し、長期的な視点で判断することが大切です。

さらに、ある物件の運用経験を持つオーナーは、「不動産会社が家賃を下げる提案をするのは自社の利益を優先している場合が多い」と指摘しています。このような背景を踏まえ、不動産会社との付き合い方を慎重に考え、長期的な収益を確保するための運用計画を構築しましょう。


 

ターゲットに合わせ物件の供給
ターゲットに合わせ物件の供給

● 賢い空室対策のポイント

  1. ターゲット層の明確化

    物件の立地や特徴に合った入居者層を明確にし、そのニーズに応じたアプローチを行うことが重要です。不動産会社に「どのような事業者が入居しそうか」を具体的に尋ねることから始めましょう。

  2. 物件の魅力アップ

    ・内装リフォームや設備充実化を検討する。

    ・ペット可や家具付きなど、付加価値を提供する。

    弊社ではオーナー様に「設備や内装を選ぶ際は、ターゲットが“使いたい”と思う空間を目指すべき」とアドバイスしています。

  3. 効果的なプロモーション

    オンライン広告やSNSを活用し、物件の魅力を広くアピールします。プロフェッショナルな写真や動画を使用することで、視覚的な印象を高めることも効果的です。

  4. 早期の行動 現状分析から内装工事、内覧、契約までのプロセスを効率的に進めることが大切です。内装工事費用は年々上昇しているため、早めに着手することでコストを抑えられます。


 

● 重要ポイント

  1. 一人で空室対策を行うリスク 空室対策を一人で進めると迷子になりやすく、最終的に自分の価値観で行動してしまうことがあります。冷静な判断ができるよう、適切な助言を受けることが重要です。

  2. 不動産会社との利益相反を理解する 不動産会社は短期的な利益を追求する傾向があるため、大家さんとは利益相反の関係にあります。この点を理解した上で付き合い方を考える必要があります。

  3. 不動産会社の役割を活用する 不動産会社に利益を渡すことで、得られるデータや市場情報、専門的な視点を活用することができます。不動産会社自体を悪と捉えず、適切に活用することが大切です。

  4. 正しい視点を持つ関係構築 不動産会社と正しい視点で関係性を築くことで、信頼関係を形成することができます。この信頼関係が物件運用の成功につながります。

  5. 家賃UPを一緒に考えられるパートナーを選ぶ 家賃の引き上げや物件価値の向上を共に考えることができる不動産会社をパートナーとして選ぶことが重要です。


 


● まとめ

不動産運用において、短期的な空室解消のために家賃を下げることは、大家さんにとって長期的なリスクを伴う選択肢となり得ます。空室問題を解決するためには、不動産会社の提案を鵜呑みにするのではなく、適切な戦略を持つことが不可欠です。


まず、物件のターゲット層を明確にし、そのニーズに合わせた魅力的な空間づくりやプロモーションを行うことが重要です。また、不動産会社との関係性を構築する際には、利益相反の構造を理解しつつ、彼らの専門的な知見や情報を活用することを心がけましょう。

家賃UPを実現できるパートナーとして信頼できる不動産会社と協力し、正しい視点を持った計画を立てることで、物件価値を高め、安定した運用を実現することが可能です。これらの取り組みを通じて、長期的な収益性を確保しながら、空室問題を根本から解決することを目指しましょう。


過去の失敗事例から学び、迷わず進むためには、正しい情報をもとに戦略的に行動することが最も重要です。成功を収めるための第一歩として、信頼できるパートナー選びと、データに基づく判断を優先してください。


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