数年前にオーナーさんが10軒長屋全体をお店などにコンバージョンされた物件で改装時リノベーションされていなかったお部屋に空室が出たという事で募集してほしいとの連絡が入ったのが数か月前のことです。とりあえず一回室内と確認と、お部屋に行くとそこはすごいお部屋でした。 　室内の状況は、畳はボロボロで襖は動かない。階段はビスが飛び出ていて危険な状態。壁は崩れかけ、トイレも流しもグチャグチャ、天井も垂れてきている状態。正直「ホントにここに人住んでたの？」というのが素直な感想でした。但し、退去者は知り合いだったので、「よくこの部屋に住んでたな」という感想も同時にありました。

　そんな状態なので、まずこのまま募集するのは厳しいので、とりあえず崩れている部分や壊れている分は補修しよう。あと、何か「ここが良い」といえる長所を作らないとという事で、改装をオーナーさんに提案しました。

　崩れかけの天井は一度解体して、本来は断熱入れて天井抜くのが理想だけど、空調の効率性、部屋の広さを考慮して、再度天井を作りました。 　そして最大の難関は、この狭くて急な階段の入口。今後どんな風に貸し出すかに関係なくこの狭い玄関と上に行く急な階段は借り手探しには一番難航するポイントと思われます。

　しかし幸運なことに今回は隣の区画がすでにリノベーション済みで、その区画の階段がちょうど今回の区画との間を取っていたために、そちら側に新たに開口部を作って、この階段口は蓋を閉鎖することになりました。蓋をすることで、部屋の面積も広がり、階段も今までの急で危ない階段を使わずに済むという事で、大きなデメリットが無くなりました。 　また畳のままだと、内覧に来る方の印象があまり良くないのでフローリングに貼替です。フローリングの材料も古い長屋の空間に合わせて、新材ではなく、足場板の古材を使い風合いのある床にしました。 　不動産の内覧時で良く思うのは、物件の申込が入る理由として、家賃額と立地は大きな2大要因ですが、意外と「○○に一目ぼれ」という事も次に多くて、その中でも「床が好き」というのが他の物件でも結構あったので、今回は床の材料には少し予算を掛けてもらうことにしました。

　また今回は床以外にも建具選びがデザイナーと悩みました。元々は空き家から救出した1枚モノの建具を入れたんですが、取り付けると階段側から見ると圧迫感があり、ガラス入りの建具に変更することしよう。建具は物件の顔なので、顔が悪いとウケも悪いですから。 　最近行きつけの骨董屋さんで見つけた2種類の建具、1枚は大きくて建具枠に収まらない寸法なので枠の加工が必要。もう1枚は逆で小さくて、枠を加工するか建具に継ぎ足しが必要。色味もガラスもデザインも違うので、現地に搬入してデザイナーと「あーだこーだ」と。結局建具は小さい方で行きました。（現在取付中） 　そしてようやく完成したのがこんな感じです。

　元々は暗くてじめっとした空間でしたが、壁を白く塗り直し、天井も柱と同じ色にして、床を足場材にすることで、明るくて温かみがあって、なおかつ清潔感のある空間に生まれ変わりました。 　閉じてしまった1階の入り口の玄関と階段部分は路地に面しているので、とりあえず今後この究極に狭いスペースで何か面白いことをしようと、ちょっと画策中です。その辺は追々アップします。 　という事で、これから募集活動に移行しますが、早くテナントさんに入居してもらって、この空間に活かしてほしいです。ご興味ある方は下記よりご連絡下さい。

物件情報 所在：大阪市天王寺区 交通：大阪メトロ「玉造」駅　徒歩5分 　　　JR環状線「玉造」駅　徒歩9分 建物：木造2階建て長屋 　　　※建物内に複数の飲食店、物販、サロン、ショールームなどが入居 所在階：2階 区画用途 店舗（飲食不可）、事務所、サロン、教室など 区画面積 18.4㎡（5.57坪）

募集条件 家賃：55,000円（税別） 共益費：5,500円（税別） 礼金：55,000円（税別） 敷金：55,000円 火災保険：15,000円（2年間） 保証会社加入 テナント会加入（テナント月額会費有） 電気・ガス・水道（個別契約） エアコン有